現代は、小学生から中高年までスマホやタブレットを使いこなす時代です。スマホを観る姿勢は頭が前に、目線は下へ背中は丸まった状態、いわゆるスマホ姿勢です。
以前、母親に抱かれて接骨院に来た0歳の赤ちゃんも、自分で母親のスマホを操作して動画を観ていました。まだ言葉も喋れない赤ちゃんなのに驚きです。
もはや一億総スマホ社会と言っていいでしょう。そして、同時に『一億総スマホ姿勢』とも言えるかもしれません。
スマホ姿勢は、大変危険なのです。
(この記事は、『老後は40代で決まる 接骨院の院長がこっそり教える健康「骨」習慣に収録されています。)
この記事を書いている人
柔道整復師
鈴木 悟(おむすび先生)
むすび接骨院 鈴木 悟 院長 著
『老後は40代で決まる-接骨院の院長がこっそり教える健康「骨」習慣-』
スマホ姿勢になるとどうなるの?
背中が丸まると体幹部に入っている内臓・血管・神経・筋肉の全てが「圧迫」されてしまいます。
圧迫されるとどうなるのでしょうか。
水道にホースをつけて水まきをしているところを想像してみると、分かりやすいかもしれません。ホースがねじれて曲がってしまうと、ホースの先から出る水の量が減ってしまいますよね?そして、そのままホース内の圧力が上がってしまうと、水道に繋がっているホースが勢いよく外れてしまいます。
実は、それと同じ様な事が体幹内でも起こっているのです。
肺は圧迫されることで容量が減ってしまい、呼吸による一回の換気量が減ってしまいます。換気量が減ってしまうと、細胞に酸素が行き渡らなくなるので疲れが取れにくくなります。朝起きた時に「何か疲れが取れてないなぁ」と感じている方は、姿勢が悪いせいで肺が圧迫されているのかもしれません。
心臓も同様に、圧迫されることで心房や心室の容量が減り、一回ごとの心拍で排出される血液量も減ってしまいます。
その他の臓器(胃・腸・肝臓・腎臓・膵臓・脾臓)も同じです。圧迫されて血液循環が悪くなれば、本来の機能が発揮できなくなってしまうのです。
それだけではありません。
背中が丸まっている姿勢は、巨大な呼吸筋である「横隔膜」と「横隔膜が付着している肋骨や背骨」の動きを少なくします。その結果、首・肩・背中・腰・下半身の動きも少なくなり、様々な症状が出やすくなります。
具体的に言えば、
- 横を向くと首が痛い
- 肩が上がりにくい
- 腰をねじりにくい
などと言った症状です。これらの症状が出ている患者さんを施術してみると、やはり横隔膜や肋骨がカチカチに硬くなっていることが多いのです。
僧帽筋という筋肉をご存じでしょうか?
頭の後ろと胸椎を結んだ背骨から鎖骨の外側や肩甲骨の外側に付着する筋肉で、首から肩に繋がる上部線維は「肩こり」で症状がでる筋肉です。
名前の由来は、その形がカトリック教カプチン会の修道士のフードに似ているからで、映画STARWARSに登場するジェダイの騎士が纏っていたフード付きローブと言えばイメージしやすいでしょうか。
スマホ姿勢で4~5kgある頭の重さを支え続けると僧帽筋は緊張してしまい、肩こりの症状を起こしてしまいます。さらに目を酷使することで、僧帽筋はダブルパンチを受けている状態です。
では『正しい姿勢』とは、どんな姿勢なのでしょうか?
横から見ると、「耳」「肩口(肩峰部)」「太ももの上にあるぐりぐり(大転子部)」「膝」「外側のくるぶし」が直線上にあるのが理想的です。
後ろからみた場合には、「頭」「背骨」「お尻」「両足内側のくるぶしの中心」が直線上にあると良いとされています。
壁を使った簡単なチェック法があります。踵を壁につけて力を抜いた状態で「頭」「肩」「お尻」が壁につけば正しい姿勢です。ぜひ試してみてください。
正しい姿勢は、メリットばかりです。
内臓・血管・神経・筋肉が圧迫されなくなることで本来の機能が戻り、骨が効率よく頭の重さを支えることで筋肉の緊張が少なくなります。
精神面でも、正しい姿勢は前向きな思考に切り替えしやすくしてくれると言われています。 何より、「正しい姿勢」は美しいのです。
ご相談はお早めに
むすび接骨院では、患者様の症状に合わせたオーダーメイドの施術を提供しています。
お気軽にご相談ください。
むすび接骨院は予約優先制です